作品名は、完成した年月日を示しているだけなので、描かれた内容を推し量る手掛かりを与えてくれません。私たちには油絵具で覆われた平面が提示されているだけといってよいでしょう。横に長い画面の下四分の一は灰色と白を基調としていますが、よく見ると様々な色が混じっています。同様にして、上四分の三にも青、濃紺、黒そしてうす緑などを見ることができます。こうした色彩の自在な動きを拾いながら眺めると、海底を想像することもできますし、あるいは南極大陸の夜を思い浮かべたり、また遠い宇宙に思いを馳せることもできます。そうした多義性が詩情に溢れた色面にちりばめられていることが、この作品の魅力といえるでしょう。
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