セザンヌは30点ほどの自画像を残しています。1点の作品を制作するのに何カ月も、時には数年を要するセザンヌにとって、自画像はモデルに対する配慮を必要としない数少ないジャンルのひとつでした。頭部、胴体、腕などが、幾何学的な形態を思わせるような堅牢さで描かれています。自然の情景でも、あまり長時間眺めていると、光や気象条件が変わってきます。花や果物は枯れて腐ってしまいます。セザンヌは移り変わる自然現象の背後に潜む、基本的な形態をつかみ取ろうとしているようです。この自画像はセザンヌの最初の個展に出品されました。その後1920(大正9)年に日本人がパリで購入し、白樺派を通じて一般にも紹介されました。
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