ルソーは近代の機械文明にも関心がありました。飛行船、飛行機、気球、エッフェル塔などが、しばしば画面に登場しま す。この絵の右上の空に浮かんでいるのは飛行船です。フランス軍が初めて注文して作らせた飛行船「祖国号」がパリの上空を飛んだのは1901 年でした。この絵にあるように補助翼を装備して飛行したのは1907年のこと。ちょうどこの作品が描かれた頃です。イヴリー河岸はセーヌ河上 流のパリ郊外の工場地帯で、画面右端に大きな煙突が見えます。着飾って杖や傘を持って川岸を散策している人々の大きさは不揃いだし、川岸と川 の境目は色面が接しているだけです。しかし、それによってルソーの詩情が損なわれることはありません。
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