ピカソ《女の顔》は、第一次大戦後に展開するピカソの古典主義時代の作品です。この絵を非常に気に入っていた石橋正二郎は、作品について次のように語っています。「大きな作品ではありませんが、画面からうける力強さや、重量感からいっても、非の打ちどころがないうえ、感覚的にも、ネオ・クラシックというか、モダンなところがあり、私はもちろんのこと、世界の宝だと思っております」。
この作品はコレクター福島繁太郎の旧蔵作品で、かつてはパリの福島邸の客間に飾られていましたが、回り回って第二次大戦の終戦直後に石橋が画商を通じて購入したものです。石橋は美術品を入手する際、団伊能、嘉門安雄、富永惣一をはじめとする専門家らの意見を聞いた上で、コレクションに加えるか否かを判断していましたが、この《女の顔》については即座に購入を決断したとされます。それだけに、《女の顔》は石橋にとって思い入れの強い作品であり、ブリヂストン美術館の「顔」として開館記念展のポスターなど様々な刊行物の表紙を飾りました。
ブリヂストン美術館の学芸員が毎月1つずつ作品を選んでお届けする、”私的コラム”です。
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